はじめに
私は将棋を始めた頃、ひたすら原始棒銀ばかり指していました。しかし、ある程度棋力が上がると、それだけでは勝てなくなり、「何か一つ得意戦法を身につけたい」と考えるようになりました。
ネットで初心者向けの戦法を調べたところ、四間飛車をおすすめする意見が多く見つかりました。そこで四間飛車を学ぶことを決め、最初に手に取った定跡本が『四間飛車を指しこなす本①』です。
2000年発売と少し古い本ですが、「今でも読む価値はあるのか?」という視点も含めて、改めて読み返した感想を紹介します。
本の概要
- ページ数:272ページ
- 発売:2000年
- 対象:四間飛車初心者~初段程度
本書は、対居飛車急戦に対する四間飛車の定跡や手筋を次の一手形式で学べる本です。
収録されている内容は、
- 斜め棒銀
- 6五歩早仕掛け
- 最短の仕掛け
- 山田定跡
- 棒銀
- 矢倉引き角
- 終盤の手筋
など、急戦対策が中心になっています。
レイアウトも特徴的で、見開き右下に問題、次の見開き右上に解答・解説があります。右ページだけを読み進めて最後まで到達したら、本を上下逆にして続きを読む構成になっています。
実際に読んだ感想
通常の定跡書では、一度に10手以上進むことも珍しくありません。そのため、頭の中だけで局面を追うのが難しく、結局は盤に並べながら読むことになります。
一方、この本は次の一手形式なので、数手先を考えるだけで読み進められます。「ここまでは読んでください」と区切りが示されている箇所もあり、非常にテンポ良く学習できました。
普通の定跡書だと「今日は盤を出すのが面倒だからまた今度」となりがちですが、この本は気軽に読み進められる点が魅力だと感じました。
また、
- 相手が最善手を指さなかった場合の咎め方
- 自分が悪い手を指した場合に、なぜそれが悪いのか
まで丁寧に解説されているので、「定跡を覚える」だけではなく、「なぜその手を指すのか」を理解しながら学ぶことができます。
良かった点
次の一手形式なので読みやすい
短時間でも学習できるため、通勤時間や空き時間にも取り組みやすい構成です。
急戦対策を体系的に学べる
棒銀や斜め棒銀など、代表的な急戦が一通り収録されています。
急戦の土台を作る一冊として十分な内容だと思います。
終盤の手筋も収録されている
定跡だけで終わらず、終盤の考え方まで学べる点も良かったです。
気になった点
本書は2000年発売なので、現在では最新定跡ではない部分もあります。
しかし、現在でもネット対戦で本書と同じ局面になることは珍しくありません。
また、最新定跡も昔の定跡を改良した結果生まれたものが多いため、古い定跡だからといって学ぶ価値がなくなるわけではありません。
最新研究を学びたい人は別の本を読むべきですが、急戦の基本的な考え方や手筋を学ぶには今でも十分役立つ一冊だと思います。
他の本との比較
『四間飛車上達法』で急戦の基本的な考え方を学んだ後、
「もっと具体的な手順を知りたい」
という人には、本書がおすすめです。
また、『四間飛車を指しこなす本②』では持久戦(穴熊)対策を扱っているため、並行して読むのも良いと思います。
さらに、定跡の進歩や歴史まで知りたい人は『四間飛車の急所①』もおすすめです。
この本で私が学んだこと
四間飛車は覚えることが多く、最初は「こんなに勉強しないと指せないのか」と感じました。
しかし、学んだ定跡や手筋が実戦でそのまま出てくることも多く、勉強した分だけ成長を実感しやすい戦法でもあります。
私は四間飛車を指し始めた最初のころは、居飛車で棒銀を指していた頃の名残でひたすら銀を前へ出しては相手から反撃を食らって負けていました。
しかし、この本を読んで「まず受けてから反撃する」「相手の力を利用して投げる」という四間飛車の考え方を学んでからは少しはまともに勝てるようになりました。
ネット対戦では定跡どおりに進まないことも少なくありません。
それでも、本書で急戦の考え方や基本手筋を身につけておけば、定跡を外された場面でも落ち着いて対応しやすくなると感じました。
この本を読むコツ
最初からすべて覚えようとする必要はありません。
次の一手形式なので、スキマ時間に少しずつ読み進められます。
また、戦法ごとに章が分かれているため、実戦で苦手だった戦型だけを読み返す使い方もおすすめです。
結局買うべき?
次のような人にはおすすめです。
- 四間飛車をこれから本格的に学びたい人
- 急戦の基本的な考え方や手筋を身につけたい人
- 次の一手形式でテンポよく勉強したい人
一方で、次のような人にはあまり向きません。
- 最新AI定跡や最新研究を中心に学びたい人
- 四間飛車の急戦をすでに十分理解している人
総評
初心者:★★★★★
読みやすさ:★★★★★
定跡の深さ:★★★★☆
最新性:★★★☆☆
2000年発売の本ですが、急戦の基本的な考え方や手筋は現在でも十分実戦で役立ちます。
四間飛車をこれから学び始める人に、自信を持っておすすめできる一冊です。
急戦を学んだら、次は居飛車穴熊対策を学びましょう。
また、美濃囲い対策をした人は『四間飛車を指しこなす本③』
そもそも四間飛車の考え方を学びたい人は『四間飛車上達法』

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