「中飛車を指しているけれど、相中飛車になったときに何をすればいいのか分からない」
そんな人におすすめしたいのが、『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』です。
私自身、中飛車を指すことが多く、相振り飛車になると対三間飛車と相中飛車が半々くらいの感覚で出てきます。
ところが、この本を読む前は相中飛車についてあまり勉強しておらず、実戦ではかなり適当に指していました。
そこで実際に本書を読んでみたところ、相中飛車で「何を目指して駒組みをするのか」「どこから攻めればいいのか」といった基本的な考え方を整理できました。
この記事では、実際に本書を2週間かけて1周した感想をもとに、どんなことが学べたのか、気になった点、そして初段を目指す級位者におすすめできるのかを紹介します。
- 『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』を読んだきっかけ
- 実際に読んでみた感想
- ① 相美濃での攻め方が分かった
- ② 6六に角を設置することを目標にする
- ③ 相手から端攻めされたときの対応が分かった
- 本書を読んで相中飛車で「何をすればいいか」が分かるようになった
- 気になったところ① 実戦では本書とは違う展開も多い
- 気になったところ② すべての手順を覚える必要はない
- 『菅井竜也のやんちゃ振り飛車』との違いは?
- 中飛車党なら相中飛車も勉強しておいたほうがいい
- 『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』はこんな人におすすめ
- 逆におすすめしにくい人
- 初段を目指す人におすすめできる?
- 『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』の評価
- まとめ|中飛車党なら相中飛車も勉強しておこう
『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』を読んだきっかけ
私は中飛車を指すことが多いのですが、中飛車を指していると相振り飛車になることがあります。
その中でも私の実戦では、
- 対三間飛車
- 相中飛車
が半々くらいの感覚で出てきます。
ところが、三間飛車に対する指し方に比べると、相中飛車についてはあまり勉強していませんでした。
相手も中飛車にしてきた場合、
「相中飛車になったけど、ここからどう指せばいいんだろう?」
という状態で、かなり適当に指していたのです。
中飛車を主戦法にするなら、相中飛車になる可能性は決して低くありません。
そこで、相中飛車の基本的な考え方を勉強するために本書を読んでみました。
実際に読んでみた感想
本書は、相中飛車の細かい定跡をひたすら丸暗記するというよりも、
「相中飛車では何を目標にして戦えばいいのか」
を学ぶのに向いている本だと感じました。
難易度もそこまで高くなく、初段を目指している級位者でも十分取り組める内容だと思います。
特に勉強になったのが、
- 相美濃での攻め方
- 6六に角を設置する考え方
- 端攻めへの対応
の3点です。
① 相美濃での攻め方が分かった
本書を読んで特に勉強になったのが、相美濃での攻め方です。
相中飛車では、お互いに美濃囲いを組む展開になることがあります。
私自身、これまでは相中飛車で相美濃になったときに、
「囲いはできたけど、ここからどう攻めればいいのか分からない」
という状態になりがちでした。
本書では、そうした局面での攻め方が解説されているため、相中飛車での戦い方をイメージしやすくなりました。
相中飛車では、ただ駒組みをしているだけではなかなか戦いが始まりません。
「どこから攻めるのか」を知っているだけでも、実戦で指しやすくなると感じました。
② 6六に角を設置することを目標にする
もう一つ印象に残ったのが、
6六に角を設置することを目標にする
という考え方です。
相中飛車では、細かい手順を知らないと、
「次に何を指せばいいのか分からない」
という状況になりやすいと思います。
しかし、
まず6六に角を設置する
という目標を持っておけば、その後の駒組みや攻め方を考えやすくなります。
さらに、そこから端攻めにつなげるという攻め方も紹介されています。
個人的には、このように「具体的な手順」だけではなく、
「何を目標にして駒を動かすのか」
が分かったことが大きかったです。
定跡をすべて暗記するのが苦手な人にとっても、このような考え方を学べるのはメリットだと思います。
③ 相手から端攻めされたときの対応が分かった
本書を読んで、もう一つ実戦で役立つと感じたのが、相手から端攻めされたときの対応です。
相中飛車では、自分から攻めるだけではなく、相手から端を攻められることもあります。
そのときの対応として、
美濃囲いの頭の歩を突いて銀を繰り出す
という受け方が紹介されています。
これまで私は、相手から端攻めされたときの具体的な対応をあまり理解していませんでした。
そのため、この手順を知ることができたのはかなり大きかったです。
相中飛車の定跡を覚えるというと「攻め方」のイメージが強いかもしれませんが、実戦では相手から攻められることもあります。
そのため、攻めだけでなく受け方を知っておくことも重要だと感じました。
本書を読んで相中飛車で「何をすればいいか」が分かるようになった
本書を読む前は、相中飛車になるとかなり適当に指していました。
しかし、本書を読んだことで、
- 相美濃になったらどう攻めるか
- 6六に角を設置する
- そこから端攻めにつなげる
- 相手から端攻めされたときにはどう受けるか
といった基本的な方向性が分かりました。
もちろん、本書を1冊読んだからといって、相中飛車のあらゆる変化に対応できるようになるわけではありません。
それでも、
「何をすればいいのか分からない」状態から抜け出せた
という点では、かなり価値のある一冊だったと思います。
気になったところ① 実戦では本書とは違う展開も多い
一方で、少し気になったところもあります。
本書では、相手玉側の端歩を突いたときに、相手が端歩を受けてこないケースを中心とした進め方がメインになっています。
ただ、私の実戦感覚では、
相手が端歩を受けてくるケースのほうが多い
ように感じます。
その場合には、7七に角を設置して、いきなり端攻めをして香車を交換できればこちらが有利と書かれていました。
ただ、個人的には、
「香車を交換することで具体的にどれくらい良くなっているのか?」
という部分が少し分かりにくく感じました。
定跡として手順を知ることはできますが、その手順によって何が得なのかまで理解するには、実戦や局面の検討も必要だと思います。
気になったところ② すべての手順を覚える必要はない
もう一つ、本書を読んで感じたのは、細かい手順をすべて覚えようとしないほうがいいということです。
相中飛車は、相手の指し手によって局面が変わりやすいため、本に載っている手順をそのまま暗記しても、実戦で同じ形になるとは限りません。
それよりも、
- どこに角を配置するのか
- どこから攻めるのか
- 端攻めされたらどうするのか
といった重要なポイントを理解しておくほうが、実戦では役立つと思います。
本書は、そうした「相中飛車の考え方」を学ぶために使うのがおすすめです。
『菅井竜也のやんちゃ振り飛車』との違いは?
中飛車の棋書を探している人なら、『菅井竜也のやんちゃ振り飛車』も気になるかもしれません。
『菅井竜也のやんちゃ振り飛車』レビュー|振り飛車の攻め方を学びたい人におすすめ?
この2冊はどちらも中飛車を扱っていますが、学べる内容はかなり違います。
『菅井竜也のやんちゃ振り飛車』は、基本的に対居飛車で中飛車をどう指すかを学ぶための本です。
一方、『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』は、相手も中飛車にしてきた場合にどう戦うかを学ぶ本です。
つまり、
- 対居飛車 → 『菅井竜也のやんちゃ振り飛車』
- 対中飛車 → 『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』
という違いがあります。
中飛車を主戦法にしているなら、両方を勉強しておくことで、
「相手が居飛車でも中飛車でも、自分の中飛車を指せる」
という状態を目指せます。
中飛車一本で戦いたい人にとっては、この組み合わせはかなり相性がいいと思います。
中飛車党なら相中飛車も勉強しておいたほうがいい
今回この本を読んで、改めて感じたのが、
中飛車を主戦法にするなら、相中飛車もある程度勉強しておいたほうがいい
ということです。
中飛車を指していると、相手も中飛車にしてくることがあります。
そのときに、
「相手が中飛車なら別の戦法に変える」
というのであれば問題ありません。
しかし、
「相手が中飛車でも、自分も中飛車を指したい」
のであれば、相中飛車の基本は知っておいたほうがいいでしょう。
私自身も本書を読む前は相中飛車をかなり適当に指していました。
それが、本書を読んだことで「この形ならこういう方向を目指せばいい」という感覚を持てるようになりました。
中飛車を指す人にとっては、実戦で遭遇する可能性がある局面を放置しておくより、一度しっかり勉強しておく価値があると思います。
『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』はこんな人におすすめ
中飛車を主戦法にしている人
一番おすすめしたいのが、中飛車を主戦法にしている人です。
相中飛車になる可能性があるため、基本的な指し方を知っておくと実戦で困りにくくなります。
相中飛車で何をすればいいのか分からない人
「相美濃にした後、どう攻めればいいのか分からない」という人にもおすすめです。
6六への角の設置や端攻めなど、攻めの方向性を学ぶことができます。
初段を目指している級位者
本書はそこまで難しくないため、初段を目指している級位者でも十分取り組めると思います。
相中飛車のすべての変化を完璧に覚える必要はありません。
まずは、
「相中飛車では何を目指して指すのか」
を理解するだけでも実戦で役立つでしょう。
将棋初心者が初段になるまでの勉強法|初心者からのおすすめロードマップ
逆におすすめしにくい人
反対に、次のような人には優先度が低いと思います。
中飛車を指さない人
相中飛車になる機会がほとんどないので、わざわざ優先して読む必要はないでしょう。
相手の中飛車には居飛車で対抗する人
「相手が中飛車なら、自分は居飛車で戦う」という方にとっても、本書の優先順位は低くなります。
本書はあくまで、
相手も中飛車、自分も中飛車
という相中飛車を勉強したい人向けの本だからです。
初段を目指す人におすすめできる?
私はおすすめできます。
特に中飛車を主戦法にしていて、相中飛車になると困ってしまう級位者には、一度読んでみる価値があると思います。
ただし、初段を目指す人が最初に読むべき棋書というわけではありません。
将棋の基本的な手筋や詰将棋、寄せなどを優先したうえで、
「中飛車をもっと深く勉強したい」
という段階で読むのがよいでしょう。
初段になるためにおすすめの棋書6選|将棋ウォーズ初段の私がおすすめする読む順番
私自身、初段を目指していたころは、定跡を大量に覚えるよりも、詰将棋や手筋などを中心に勉強していました。
その経験から考えても、本書は「初段になるために絶対必要な本」というより、
中飛車を使って初段を目指す人が、戦法の理解を深めるための一冊
と考えるのがよいと思います。
『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』の評価
私の評価は、
★★★★☆ 4.0 / 5
です。
評価したポイントは、
- 相中飛車の基本的な考え方を学べる
- 相美濃での攻め方が分かる
- 6六角を目標とする考え方が分かる
- 端攻めへの対応を学べる
- 初段を目指す級位者でも読みやすい
という点です。
一方で、実戦では本書とは異なる展開になることも多く、一部の手順については「なぜこれで良くなるのか」が少し分かりにくいところもありました。
そのため、満点ではなく4点としました。
まとめ|中飛車党なら相中飛車も勉強しておこう
『これが決定版!相中飛車徹底ガイド』を実際に読んでみて感じたのは、
「中飛車を指すなら、相中飛車も放置しないほうがいい」
ということです。
私自身、本書を読む前は相中飛車をかなり適当に指していました。
しかし、本書を読んだことで、
- 相美濃での攻め方
- 6六への角の設置
- 端攻めへのつなげ方
- 相手から端攻めされたときの受け方
など、相中飛車で重要になるポイントを整理することができました。
細かい定跡をすべて暗記する必要はありません。
まずは、
「相中飛車では何を目指して指すのか」
を理解するだけでも、実戦での指しやすさはかなり変わると思います。
特に、
「中飛車を主戦法にしている」
「相手も中飛車にしてきたときに困っている」
「初段を目指しているので、相中飛車の基本を勉強したい」
という人にはおすすめです。
一方で、中飛車を指さない人や、相手の中飛車には居飛車で対抗する人にとっては、優先度は低いでしょう。
中飛車を指すなら対居飛車だけでなく、対中飛車=相中飛車への備えも用意しておく。
本書は、そのための一冊としておすすめできます。
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