『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』レビュー|実戦的な詰み筋を学びたい人におすすめ

「5手詰に挑戦してみたいけれど、難しい問題集はまだ早い」

「実戦で役立つ詰み筋を身につけたい」

そんな人におすすめしたいのが、『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』です。

私自身、実際に本書を1周してみましたが、5手詰としてはかなり易しく感じました

『5手詰ハンドブック』や『力をつける詰将棋3手5手』の5手詰と比べると明らかに解きやすく、体感としては『3手詰ハンドブック』や『力をつける詰将棋3手5手』の3手詰に近い難易度です。

一方で、本書には単に「易しい」だけではない特徴があります。

それが、実戦で出てきそうな玉形や詰み筋を題材にしていることです。

この記事では、実際に本書を解いた感想をもとに、『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』の難易度や特徴、他の5手詰本との違い、初段を目指す人におすすめできる理由について紹介します。

『3手詰ハンドブック』のレビューはこちら

『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』の概要

まずは本書の基本的な内容を紹介します。

  • 問題数:202問
  • 形式:5手詰
  • 1ページに2問
  • 難易度表示:なし
  • 様々な囲いや玉形を題材にした詰将棋を収録

本書では、矢倉、美濃囲い、船囲い、銀冠、木村美濃、穴熊、中住まい、雁木、右玉、カニ囲い、早囲いなど、様々な玉形が登場します。

そのため、単純に5手詰を解くだけではなく、

「この玉形なら、どこから攻めれば詰みやすいのか」

ということも考えながら取り組めます。

実際に解いてみた感想

私は本書を1日で全問解きました

もちろん、202問あるので、1日で一気に解く必要はありません。時間を取って少しずつ進めてもよいでしょう。

私の場合は1日で取り組みましたが、難易度がそれほど高くないため、比較的スムーズに進めることができました。

周回数は現在のところ1周です。

実際に取り組んでみた評価は、5点満点で5点です。

特に良いと感じたのは、5手詰としての難易度よりも、実戦的な詰み筋を学べることでした。

5手詰なのにかなり易しい

本書の最大の特徴の一つが、5手詰としてはかなり易しいことです。

私がこれまで取り組んだ、

  • 『5手詰ハンドブック』
  • 『力をつける詰将棋3手5手』

に収録されている5手詰と比べると、明らかに易しく感じました。

体感としては、

『3手詰ハンドブック』や『力をつける詰将棋3手5手』の3手詰と同じくらい

の難易度です。

もちろん、すべての問題が簡単というわけではありません。

それでも、「5手詰」と聞いて想像するような難しさはあまり感じませんでした。

そのため、

3手詰はある程度解けるようになったけれど、難しい5手詰にはまだ抵抗がある

という人には、かなり取り組みやすい一冊だと思います。

3手詰から5手詰へ進むタイミングについてはこちらの記事で詳しく解説しています

「5手詰は難しい」と感じている人におすすめ

5手詰に進むと、3手詰との難易度の差を大きく感じる人もいます。

特に、いきなり難しい5手詰に挑戦すると、

「全然解けない」

「5手詰はまだ早かったのかな?」

と感じてしまうこともあるでしょう。

そんな場合に、本書は5手詰へのステップアップとして使いやすいと思います。

「5手詰を解く」という感覚に慣れるための入門書

として考えてもよいでしょう。

最大の魅力は「実戦的な詰み筋」

ただし、本書をおすすめしたい理由は、単に「5手詰として易しいから」ではありません。

私が特に評価したいのは、実戦的な詰み筋を学べることです。

詰将棋の中には、

  • 駒を何度も捨てる
  • 実戦ではなかなか現れないような手順が出てくる
  • 純粋に読みの力を鍛えることを重視している

といった問題もあります。

こうした問題は、詰将棋としては非常に勉強になります。

一方で、本書は、

「実戦で相手玉を詰ますときに使えそうな詰み筋」

を学びやすいのが特徴です。

「こんな詰み方が実戦で本当に出てくるの?」

というタイプの問題ばかりではなく、

「実戦でもこういう形になりそうだな」

と思える問題が多いのが魅力です。

そのため、詰将棋を解くこと自体だけでなく、

実戦で相手玉を詰ませるための感覚を身につけたい人

にも向いています。

様々な囲いが題材になっている

もう一つ良いと感じたのが、様々な囲いを題材にしていることです。

例えば、

  • 矢倉
  • 美濃囲い
  • 船囲い
  • 銀冠
  • 木村美濃
  • 穴熊
  • 中住まい
  • 雁木
  • 右玉
  • カニ囲い
  • 早囲い

など、幅広い玉形が登場します。

実戦では、自分がいつも同じ囲いを使うとは限りません。

相手がどのような囲いを採用するかによって、玉の逃げ道や攻め方も変わります。

本書を解いていると、

「この囲いなら、ここを狙えば詰みやすい」

という感覚を身につけるきっかけになります。

単に5手先を読む練習だけではなく、玉形を見る力を養うという意味でも面白い本だと思います。

本書の気になったところ

大きなデメリットはありません。

私自身、かなり評価の高い一冊です。

あえて気になった点を挙げるなら、囲いごとに章を分けてもよかったのではないかと思いました。

例えば、

  • 矢倉の詰み筋
  • 美濃囲いの詰み筋
  • 穴熊の詰み筋
  • 雁木の詰み筋

というように分類されていれば、

「美濃囲いの詰み筋だけ復習したい」

といった使い方もしやすかったでしょう。

ただし、これは大きな欠点というほどではありません。

普通に最初から順番に解いていくのであれば、特に問題はないと思います。

『5手詰ハンドブック』との違い

同じ5手詰の本として、私が実際に取り組んだ『5手詰ハンドブック』と比較してみます。

『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』

  • 5手詰としてかなり易しい
  • 実戦的な詰み筋を学びやすい
  • 様々な囲いを題材にしている
  • 実戦で出てきそうな玉形が多い
  • 初段を目指す人にもおすすめしやすい

『5手詰ハンドブック』

  • 本格的な5手詰に取り組める
  • 本書より難しく感じる
  • 読みの力を鍛える目的に向いている
  • 5手詰をしっかり解く練習になる

そのため、私は次のように考えています。

実戦的な詰み筋を学びたいなら『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』。

5手詰をしっかり解いて読みの力を鍛えたいなら『5手詰ハンドブック』。

『5手詰ハンドブック』を実際に解いたレビューはこちら

同じ5手詰でも、目的が少し違います。

『力をつける詰将棋3手5手』との違い

『力をつける詰将棋3手5手』とも比較してみましょう。

こちらは3手詰と5手詰が収録されているのが特徴です。

私の感覚では、

  • 3手詰は比較的易しい
  • 5手詰はかなり難しい

という構成です。

また、純粋に読みの力を鍛えることを目的とした問題も多く、実戦ではあまり見ないような駒捨ても登場します。

一方、『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』は、

  • 5手詰としてかなり易しい
  • 実戦的
  • 様々な囲いを扱う
  • 実戦で出てきそうな詰み筋を学びやすい

という違いがあります。

したがって、

3手詰と5手詰を一冊で勉強したいなら『力をつける詰将棋3手5手』。

易しい5手詰で実戦的な詰み筋を学びたいなら『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』。

という選び方がおすすめです。

『力をつける詰将棋3手5手』の詳しいレビューはこちら

初段を目指す人にもおすすめできる?

ここは、Shogi Studyとして少し重要なポイントです。

私はこれまで、

「初段を目指すなら5手詰は必須ではない」

と考えてきました。

実際、初段を目指す段階では、5手詰を解くことよりも、

  • 3手詰
  • 手筋
  • 寄せ
  • 実戦

などを優先した方が、効率よく棋力を伸ばせると考えています。

初段を目指すうえで3手詰と5手詰をどう考えるかはこちらの記事で詳しく紹介しています

では、本書も初段を目指す人には必要ないのでしょうか。

私は、本書については「かなりおすすめできる」と考えています。

ただし、それは「5手詰だから」という理由ではありません。

実戦的な詰み筋を学べるから

本書をおすすめする理由は、

5手詰を解いて読みの力を鍛えることだけが目的ではないからです。

様々な囲いを題材に、

「この玉形なら、どこから攻めればいいのか」

「この形では、どんな詰み筋があるのか」

を学ぶことができます。

これは実戦でも役立ちます。

つまり、

「5手詰だから初段におすすめ」なのではなく、「実戦的な詰み筋を学べるから初段を目指す人にもおすすめ」

というのが私の評価です。

この違いはかなり重要だと思っています。

初段を目指す人向けの棋書をまとめた記事はこちらです

こんな人におすすめ

ここまでの内容を踏まえると、本書は次のような人におすすめです。

1. 5手詰に挑戦したいけれど、難しい問題は避けたい人

5手詰としてはかなり易しいので、5手詰の入門用として取り組みやすいです。

2. 実戦的な詰み筋を学びたい人

本書の最大のおすすめポイントです。

単に難しい問題を解くのではなく、実戦で使えそうな詰み筋を覚えたい人に向いています。

3. 初段を目指している人

5手詰の読みを極めるというより、

「実戦で相手玉を詰ませるための感覚を身につけたい」

という目的ならおすすめできます。

4. 様々な囲いの崩し方を学びたい人

矢倉、美濃囲い、穴熊、雁木など、様々な玉形が登場するため、玉形ごとの詰み筋を学べます。

逆におすすめしにくい人

一方で、

「難しい5手詰をたくさん解いて、純粋に読みの力を鍛えたい」

という人には、少し物足りないかもしれません。

本書は5手詰としてかなり易しいからです。

その場合は、

  • 『5手詰ハンドブック』
  • 『力をつける詰将棋3手5手』

など、より難しい問題集の方が向いているでしょう。

3手詰の次に取り組むのもおすすめ

本書は、3手詰から5手詰へのステップアップにも使いやすいと思います。

例えば、

3手詰を繰り返し解く

『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』で易しい5手詰に挑戦する

さらに難しい5手詰に進む

という流れです。

いきなり難しい5手詰に挑戦して挫折するよりも、まずは易しい5手詰で「5手詰を読む感覚」を身につける方が取り組みやすいでしょう。

詰将棋と合わせて終盤力を鍛えたいなら『寄せの手筋200』もおすすめです

まとめ

『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』は、5手詰としてはかなり易しく、実戦的な詰み筋を学びたい人におすすめできる一冊です。

私自身、実際に1周してみましたが、5手詰ハンドブックなどの5手詰と比べるとかなり易しく感じました。

特に良いと感じたのは、様々な囲いを題材にしていることです。

矢倉、美濃囲い、穴熊、雁木など、実戦で登場する様々な玉形を題材にしているため、

「この囲いなら、どこを狙えば詰ませやすいのか」

という感覚を身につけるきっかけになります。

また、私はこれまで「初段を目指すなら5手詰は必須ではない」と考えていました。

しかし、本書については、

「5手詰だからおすすめなのではなく、実戦的な詰み筋を学べるからおすすめ」

と考えています。

そのため、

  • 5手詰に挑戦したいけれど、難しい問題はまだ早い
  • 実戦で役立つ詰み筋を学びたい
  • 初段を目指していて、終盤力をさらに伸ばしたい
  • 様々な囲いの詰み筋を学びたい

という人には、かなりおすすめできる一冊です。

逆に、難しい5手詰を解いて読みの力を鍛えたいのであれば、『5手詰ハンドブック』などを選んだ方がよいでしょう。

「易しい5手詰」と「実戦的な詰み筋」という2つの特徴を重視するなら、『将棋パワーアップシリーズ 5手詰将棋』は試してみる価値のある一冊です。

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