「手筋を一通り覚えたけれど、実戦になるとなかなか使えない」
そんな人におすすめしたいのが、『手筋の力 初級編 好手で乗り切る200の実戦問題』です。
本書は、三択の中から実戦で最善と思われる手を選ぶ「次の一手」形式の問題集です。
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「将棋・ひと目の手筋」や「将棋絶対手筋180」のように、手筋を種類ごとに覚えていく本とは違い、本書は実戦形式で問題が出題されます。
そのため、自分が覚えた手筋を実際の局面で使えるか確認できるのが大きな特徴です。
また、問題には正解率も掲載されています。
最初は正解率90%前後の簡単な問題から始まりますが、徐々に難しくなり、後半には正解率20%程度の問題も登場します。
この記事では、実際に本書を読んだ感想をもとに、どんな人におすすめなのか、他の手筋本と何が違うのかを紹介します。
『手筋の力 初級編』の基本情報
- タイトル: 手筋の力 初級編 好手で乗り切る200の実戦問題
- ページ数: 414ページ
- 発売: 2007年
- 対象: 級位者~有段者向け
- 形式: 三択の次の一手問題
- 問題数: 200問
本書では、実戦で現れそうな局面が提示され、その局面で最善と思われる手を三つの候補から選びます。
単純に「○○の手筋は何でしょう?」と聞かれるタイプではありません。
そのため、問題を見ただけでは、どの手筋を使えばいいのか分からないこともあります。
これが本書の難しさであり、同時に大きな特徴でもあります。
『手筋の力 初級編』はどんな本?
一言で表すなら、
「覚えた手筋を実戦で使えるか確認するための本」
です。
例えば、「歩の手筋を覚えた」「駒得につながる手筋を知っている」といった知識があっても、実戦でその局面に遭遇したときに使えなければ、なかなか勝ちにつながりません。
本書では、そうした「知っている手筋を実際の局面で見つける力」を鍛えることができます。
問題は序盤・中盤だけではなく、終盤の局面も多く登場します。
序盤や中盤では、駒得や駒の成り込みを狙う問題などが掲載されています。
一方、終盤では、
- 自玉に詰めろがかかっているか
- 相手にどの駒を渡すと詰まされるのか
- 相手玉を詰みに持っていけるのか
といったことを考える必要があります。
そのため、単純な手筋の知識だけでなく、終盤の読みの力も求められる本だと感じました。
実際に読んでみた感想
最初は比較的簡単な問題から始まる
本書の面白いところは、問題ごとに正解率が掲載されていることです。
最初の方には正解率90%前後の問題もあり、比較的取り組みやすくなっています。
そのため、
「初級編だから簡単そう」
と思って読み始めても、最初からいきなり難問ばかりというわけではありません。
しかし、ページが進むにつれて徐々に難しくなっていきます。
最終的には正解率20%程度の問題も出てくるため、後半になるとかなり歯ごたえがあります。
序盤・中盤では駒得や成り込みを狙う問題が多い
序盤や中盤では、駒得につながる手や、駒を成り込ませる手などを考える問題が出てきます。
こうした問題では、
「相手の駒を取れるか」
だけではなく、
「その手を指した後に相手からどう応じられるか」
まで考える必要があります。
実戦では、単純に駒得できる手を指せばいいとは限りません。
その後の展開まで考えて最善手を選ぶ必要があるため、実戦的な練習になります。
終盤の問題はかなり読みが必要
個人的に難しいと感じたのが終盤の問題です。
終盤では、
「自玉が詰むのか」
を考えながら手を選ばなければならない局面があります。
また、
「この駒を相手に渡してしまうと詰まされる」
というように、相手に渡してはいけない駒を意識することも重要です。
そのため、手筋の本ではありますが、後半になると詰将棋に近い読みの力も求められます。
本書を読む前に3~5手詰程度の詰将棋に慣れておくと、より取り組みやすいでしょう。
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『手筋の力 初級編』の良かったところ
① 実戦形式で手筋を勉強できる
本書の一番の魅力はここです。
「歩の手筋」「受けの手筋」といったように手筋ごとに問題が分類されているわけではありません。
実戦形式で問題が出てくるため、
「この局面では何をすればいいのか?」
を自分で考える必要があります。
そのため、手筋を覚えた後の確認に向いています。
② 自分の手筋が実戦で使えるか確認できる
手筋の本を読んでいると、
「この手筋は覚えた」
と思っていても、実戦ではなかなか使えないことがあります。
本書では手筋の名前やテーマを教えてもらえません。
そのため、自分で局面を見て、
「ここではこの手筋が使えるのではないか?」
と考える必要があります。
これは実戦で手筋を使うための良い練習になります。
③ 正解率が掲載されている
問題ごとに正解率が掲載されているのも面白いところです。
正解率90%程度の問題から始まり、徐々に難しくなっていくため、自分がどの程度の問題まで解けるのかを確認できます。
後半には正解率20%程度の問題もあり、
「この問題を正解できるのか?」
という挑戦要素もあります。
『手筋の力 初級編』の気になったところ
後半は「初級編」とはいえ難しい
タイトルには「初級編」とありますが、最後まで簡単というわけではありません。
特に後半はかなり難しい問題があります。
正解にたどり着けない場合は、三つの候補手を一つずつ確認して、
「この手なら相手はどうするのか?」
と考えていくとよいでしょう。
三択問題なので、候補手を比較しながら考えられるのは本書のメリットでもあります。
終盤では詰将棋の力も必要
先ほども紹介したように、終盤の問題では詰みや詰めろを読む力が求められます。
そのため、手筋だけを勉強したい人にとっては、
「思ったより難しい」
と感じる可能性があります。
逆に言えば、手筋だけでなく終盤の読みも一緒に鍛えたい人にはメリットになります。
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『手筋の力 初級編』と他の手筋本の違い
本書を読むタイミングを考えるうえで、他の手筋本との違いを知っておくと分かりやすいでしょう。
『将棋・ひと目の手筋』との違い
将棋・ひと目の手筋は、基本的な手筋を覚えるために使いやすい本です。
「歩の手筋」「必死の手筋」「端攻めの手筋」「受けの手筋」など、テーマごとに分類されているため、
「この手筋を覚えたい」
という目的で勉強できます。
一方、『手筋の力 初級編』は実戦形式です。
どの手筋が出てくるのか問題を見ただけでは分からないため、
手筋を覚える → 手筋を実戦で使う
という段階の後半に向いています。
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『将棋絶対手筋180』との違い
『将棋絶対手筋180』も、基本的な手筋を身につけるための本として使いやすい一冊です。
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そのため、これから手筋を覚えたい人なら、まず基本的な手筋を体系的に学べる本から始めるのがおすすめです。
そして、ある程度手筋を覚えたら『手筋の力 初級編』に進み、
「実戦形式になると、自分はどれくらい手筋を見つけられるのか」
を確認してみるとよいでしょう。
3冊の役割を簡単にまとめると
| 本 | 主な目的 |
|---|---|
| 将棋・ひと目の手筋 | 手筋を種類ごとに覚える |
| 将棋絶対手筋180 | 基本的な手筋を身につける |
| 手筋の力 初級編 | 覚えた手筋を実戦形式で使う |
このように考えると、本書を読むタイミングが分かりやすくなります。
「手筋を覚える」ことが目的なら、まず他の手筋本。
「覚えた手筋を実戦で使えるか試したい」なら、本書。
という使い分けがおすすめです。
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『手筋の力 初級編』はどんな人におすすめ?
本書は、次のような人におすすめです。
基本的な手筋を一通り勉強した人
これから手筋を勉強する人よりも、すでに基本的な手筋をある程度覚えている人に向いています。
例えば、
「将棋・ひと目の手筋を一通り解いた」
「将棋絶対手筋180で基本的な手筋を勉強した」
という人なら、本書に取り組むことで知識を実戦的な力に変えていけるでしょう。
手筋を覚えたのに実戦で使えない人
「本で手筋を勉強したけれど、実戦になると全然見つからない」
という人にもおすすめです。
本書では手筋の名前やテーマが提示されないため、自分で局面から手筋を発見する必要があります。
これは実戦で手筋を使うための良いトレーニングになります。
次の一手問題が好きな人
三択形式なので、
「どの手が一番いいのか?」
と考えながら進められます。
単純に解説を読むだけの勉強よりも、問題を解きながら勉強したい人に向いています。
この本で学んだこと
私が本書を読んで特に勉強になったのは、
「手筋を知っていること」と「実戦で手筋を使えることは別」
ということです。
手筋の本を読んでいると、問題を見れば答えが分かるようになってきます。
しかし、実戦では「この局面は○○の手筋です」と教えてもらえるわけではありません。
局面を見て、
「ここでは駒得を狙えるのではないか」
「この駒を成り込めるのではないか」
「相手にこの駒を渡すと詰まされるのではないか」
と、自分で考える必要があります。
本書は、その練習になる一冊だと感じました。
『手筋の力 初級編』を読むコツ
まずは選択肢を見る前に考えてみる
三択問題なので、普通に選択肢を見ながら解いても問題ありません。
ただ、より実戦的な練習をしたいなら、
まず選択肢を隠して、自分ならどう指すか考えてみる
のもおすすめです。
特に有段者であれば、選択肢を見ないで考えてみるとかなり難しく感じると思います。
難しい問題は候補手を一つずつ確認する
難しい問題に出会ったら、無理に一瞬で答えを出す必要はありません。
三つの候補手を一つずつ確認して、
「この手を指したら相手はどうする?」
と考えていきましょう。
それでも分からなければ、解説を読んで、
「なぜこの手が正解なのか」
を理解することが重要です。
後半は詰将棋のように読む
後半の終盤問題では、詰みや詰めろを読む力が重要になります。
そのため、
- 相手玉に詰みがあるか
- 自玉に詰めろがかかっているか
- どの駒を渡すと詰まされるか
といったことを意識して解いてみるとよいでしょう。
結局、『手筋の力 初級編』は買うべき?
基本的な手筋をまだ覚えていない人には、最初に買う手筋本としてはおすすめしません。
まずは「将棋・ひと目の手筋」や「将棋絶対手筋180」などで、基本的な手筋を一通り学ぶ方が効率的です。
そのうえで、
「覚えた手筋を実戦で使えるか確認したい」
という段階になったら、本書がおすすめです。
特に、
- 手筋を一通り勉強した
- 実戦になると手筋が見つからない
- 次の一手問題が好き
- 初段を目指している
- 実戦的な問題で手筋力を鍛えたい
という人には向いています。
一方、将棋を始めたばかりで手筋をほとんど知らないのであれば、まずは基本的な手筋を学べる本を優先するとよいでしょう。
まとめ
『手筋の力 初級編 好手で乗り切る200の実戦問題』は、基本的な手筋を覚えた後に、実戦でその手筋を使えるか試すための一冊です。
「将棋・ひと目の手筋」や「将棋絶対手筋180」のような基本手筋の問題集とは違い、実戦形式で問題が出題されるため、どの手筋を使うのか自分で判断する必要があります。
また、正解率90%前後の問題から始まり、後半には20%程度の問題も登場するため、初級編とはいえ後半はかなり歯ごたえがあります。
特に終盤では、詰めろや詰み、駒を渡したときの危険性などを読む力も求められます。
そのため、
基本手筋を覚える → 『手筋の力 初級編』で実戦的に使う → 実戦で活用する
という順番で取り組むのがおすすめです。
「手筋は覚えたけれど、実戦でなかなか使えない」という人は、ぜひ挑戦してみてください。

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