初めに
「定跡はある程度覚えたのに初段になれない……」
そんな悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。
『初段になれるかな大会議』は、詰将棋や定跡を教える本ではなく、初段になるための考え方や勉強法を学べる一冊です。
実際に読んでみると、「なぜ初段になれないのか」「初段になった人はどんな勉強をしていたのか」がよく分かる内容でした。
この記事では、実際に読んだ感想を交えながら、この本がおすすめできる人や気になった点を紹介します。
本の概要
- ページ数:191ページ
- 発売:2020年
- 対象:初級者~初段前後
この本は、棋力を直接上げるための定跡書や手筋集ではありません。
テーマは「どうすれば初段になれるのか」。
プロ棋士やアマチュア強豪、実際に初段になった人たちが、それぞれの経験や勉強法について語る対談・インタビュー形式で進んでいきます。
「初段になった人は何を勉強したのか」「どんな考え方で上達したのか」を知ることができるのが、この本の最大の特徴です。
実際に読んだ感想
読んで一番感じたのは、「将棋で勝つための考え方」が学べる本だということです。
定跡や手筋を細かく解説する本ではありませんが、勝率を上げるための考え方や上達のヒントが数多く紹介されています。
対談形式なので文章も読みやすく、将棋の勉強に疲れたときでも気軽に読み進められました。
良かった点
初段になった人の勉強法が分かる
特に面白かったのは、実際に初段になった人へのアンケートです。
- 初段になるまで何を勉強したのか
- どんな棋書を読んだのか
- 上達のきっかけは何だったのか
などが紹介されています。
「みんな何を勉強しているんだろう?」という疑問が解消される内容でした。
紹介されていた棋書では、
- 『3手詰ハンドブック』
- 『寄せの手筋200』
などが特に多く挙げられていました。
これから勉強する本を探している人にも参考になると思います。
将棋の「考え方」が学べる
本書では、
- 相手の銀を5段目に進出させない
- むやみに争点を作らない
- アマチュアは受けより攻めの方が勝ちやすい
といった、実戦で役立つ考え方が数多く紹介されています。
一つ一つは将棋の格言として知られているものもありますが、改めて理由とともに説明されることで理解が深まりました。
対談形式なので読みやすい
技術書というより読み物に近いため、難しくありません。
電車の中や寝る前など、気軽に読み進められる一冊でした。
気になった点
内容は比較的基本的なものが多いため、すでに初段以上の人には少し物足りなく感じるかもしれません。
具体的な定跡や終盤技術を深く学びたい人は、手筋集や定跡書を選んだ方が満足度は高いでしょう。
あくまで「初段になるための考え方」を学ぶ本という印象でした。
『四間飛車上達法』との違い
以前レビューした『四間飛車上達法』も、「手順を覚える」というより考え方を学ぶ本でした。
一方で、『初段になれるかな大会議』は戦法を問わず読める内容になっています。
| 本 | 特徴 |
|---|---|
| 四間飛車上達法 | 四間飛車の考え方を学べる |
| 初段になれるかな大会議 | 初段になるための考え方や勉強法を学べる |
四間飛車党だけでなく、居飛車党にもおすすめできる点が大きな違いです。
この本で学んだこと
私が特に印象に残ったのは、「アマチュアは攻める将棋の方が勝ちやすい」という考え方です。
将棋では「受けが大切」と言われることも多いですが、本書ではアマチュアは受けでミスをしやすく、特にネット将棋では持ち時間が短いため、攻めを続けた方が相手が先にミスする可能性が高いと紹介されています。
これは実戦でも納得できる考え方でした。
また、
- 持ち駒は小さい駒から使う
- 桂馬を安易にはねない
- 相手の駒を前進させすぎない
など、上級者にとっては当たり前でも、普段意識できていない人には大きな気付きになる内容も多くありました。
新しい技術を覚えるというより、「悪い癖を直す」きっかけになる本だと感じました。
この本を読むコツ
本書は一気に読む必要はありません。
対談形式なので、将棋の勉強に疲れたときの息抜きとして少しずつ読むのがおすすめです。
また、紹介されている棋書や勉強法をメモしながら読むと、今後の勉強計画も立てやすくなるでしょう。
こんな人におすすめ
この本は次のような人におすすめです。
- 将棋ウォーズや将棋倶楽部24で初段になれない
- 定跡は覚えたが勝率が伸びない
- 勝ち方のコツを知りたい
- 将棋の勉強法に迷っている
- 気軽に読める将棋本を探している
逆に、すでに高段者で高度な定跡研究や終盤力向上を期待している人には、少し物足りないかもしれません。
結局買うべき?
初段になかなかなれず悩んでいる人には、おすすめできる一冊です。
派手な新戦法や高度なテクニックが学べる本ではありませんが、「勝ち方の考え方」や「初段になる人の勉強法」を知ることができます。
特に「何を勉強すればいいか分からない」「定跡以外にも上達のヒントが欲しい」という人には、読んでみる価値があるでしょう。
正直、この本を読むだけで初段になれるとは、私は感じませんでした。
理由は、本書は定跡や終盤力を体系的に学ぶ技術書ではなく、初段になるための考え方や勉強法を紹介する内容だからです。
実際に棋力を伸ばすには、詰将棋や手筋、定跡の勉強を並行して進める必要があるでしょう。
そうした基礎力を身につけるなら、『将棋・ひと目の手筋』は最初の一冊として非常におすすめです。
一方で、「どんな勉強をすれば初段に近づけるのか」「勝ちやすい考え方は何か」といった方向性を知る本としては十分価値があると感じました。
本書を読んで
「実際にはどんな勉強をしたらいいの?」
と気になった方は、私自身が初段になるまでに取り組んだ勉強法も紹介しています。
→『初段になるために私がやったこと・やらなかったこと』はこちら

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