『美濃囲いの手筋200』レビュー|美濃囲い崩しを体系的に学ぶなら今でもおすすめの一冊

結論:美濃囲い崩しを本格的に学びたいなら買う価値あり

『美濃囲いの手筋200』は、美濃囲いの崩し方を体系的に学べる数少ない棋書です。

「美濃囲いは固い」というイメージを持っている人も多いと思いますが、本書を読むと、持ち駒や囲いの形などの細かな違いによって攻め方が大きく変わることが分かります。

特に、居飛車対振り飛車の対抗形を指す人には非常に役立つ一冊です。

おすすめ度:★★★★★(5.0/5)

  • 対象:5級~三段程度
  • 読みやすさ:★★★☆☆
  • 実戦で役立つ度:★★★★★
  • 繰り返し読む価値:★★★★★

本の概要

  • ページ数:236ページ
  • 発売:2010年
  • 対象:5級~三段程度

目次

  • 第1章 片美濃崩し
  • 第2章 本美濃崩し
  • 第3章 高美濃崩し
  • 第4章 銀冠崩し
  • 第5章 木村美濃と金美濃
  • 第6章 トドメのテクニック
  • 第7章 定跡テクニック

本書では、美濃囲いを

  • 側面からの攻め
  • 端攻め
  • コビン攻め
  • 上部からの攻め

といった形に分類し、それらを単独または組み合わせて崩す方法を学べます。

第6章では、自玉の安全度や相手へ渡す駒まで考慮した寄せを学習します。

例えば、

  • 自玉には一手の余裕があるので詰めろを掛けるだけで問題ない
  • 金を渡すと詰まされるが銀なら問題ない

といった、実戦で非常に重要な判断力を鍛えられます。

第7章では実戦に近い流れの中で、美濃囲いの崩し方や攻めの組み立て方を学ぶことができます。


実際に読んだ感想

私は美濃囲い崩しの基本的な手筋は知っていましたが、本書を読んで最も驚いたのは、持ち駒や囲いの形、歩が突かれているかどうかといった細かな違いによって、攻め方が大きく変わることでした。

「この形なら端攻め」「この持ち駒ならコビン攻め」といったように、状況に応じて最適な攻め方を選ぶ必要があります。

少し手順を間違えるだけで攻めが切れてしまうことも多く、思っていた以上に奥が深い分野だと感じました。

また、本書には

  • 詰みまで持っていく問題
  • 詰めろを掛ける問題
  • 陣形を乱す問題
  • 駒得を目指す問題

など様々な問題が収録されています。

実戦では、

「実は詰みがあったのに詰めろで妥協して逆転された」

あるいは

「駒得で十分だったのに攻めすぎて逆転された」

ということは珍しくありません。

本書は、そうしたどこまで攻めるべきかという判断力も鍛えられる点が非常に良いと感じました。

さらに印象に残ったのが、第7章です。

居飛車対振り飛車では、攻め駒を交換し合う第一陣と、玉を寄せる第二陣という二段階の戦いになることが多くあります。

実戦では、この第一陣から第二陣へどのように移行するかが非常に重要ですが、第7章ではその流れを実戦形式で学ぶことができます。

また、自分自身の対局を振り返ると、側面攻め・端攻め・コビン攻め・上部からの攻めを組み合わせて寄せることはほとんどできていませんでした。

本書を繰り返し学習して、それらを自然に組み合わせられるようになれば、終盤力はさらに伸びると感じています。


良かった点

多様な美濃囲いの崩し方を学べる

同じ美濃囲いでも

  • 持ち駒
  • 囲いの形
  • 歩の位置

によって最善手が変わります。

本書では、それらを体系的に学ぶことができます。


自玉の安全度を考えた寄せを練習できる

単に詰ませるだけではなく、

「どの駒なら渡しても安全か」

「あと一手余裕があるか」

まで考えながら攻める練習ができます。

これは実戦でも非常に役立つ能力です。


第一陣から第二陣への移行を学べる

居飛車対振り飛車では、

攻め駒を交換する段階から玉を寄せる段階へ移るタイミングが重要になります。

その感覚を実戦形式で学べるのは、本書ならではの魅力です。


気になった点

内容が充実している反面、一問一問の難易度は高めです。

初級者の場合は、

「なぜこの攻め方になるのか」

がすぐには理解できない問題もあるでしょう。

また、一度読んだだけで身につく本ではありません。

繰り返し解いて初めて実戦で使える知識になるタイプの棋書です。


他の棋書との比較

『寄せの手筋200』との違い

『寄せの手筋200』は終盤全般の寄せを学ぶ本です。

一方、本書は美濃囲い攻略に特化しているため、美濃囲いを崩す技術を深く学びたい人にはこちらがおすすめです。

→『寄せの手筋200』の詳しいレビューはこちら

『将棋・ひと目の手筋』との違い

『将棋・ひと目の手筋』でも囲い崩しの基本手筋は学べますが、『美濃囲いの手筋200』は持ち駒や囲いの形、歩の突き方による違いまで詳しく解説されています。

まず『将棋・ひと目の手筋』で基礎を学び、さらに美濃囲い崩しを深く研究したい人に本書がおすすめです。

→『将棋・ひと目の手筋』の詳しいレビューはこちら


こんな人におすすめ

  • 居飛車で振り飛車と戦うことが多い人
  • 美濃囲いの崩し方を体系的に学びたい人
  • 寄せの判断力を鍛えたい人
  • 対抗形の終盤力を伸ばしたい人

また、振り飛車党にとっても、自分の美濃囲いがどの程度安全なのかを理解できるようになるため、読む価値は十分あります。


この本で学んだこと

この本を読んで特に印象に残ったのは次の4点です。

  • 側面攻め・端攻め・コビン攻め・上部からの攻めを組み合わせる重要性
  • 美濃囲いでも安全とは限らないこと
  • 相手へ渡す駒まで考えて寄せること
  • 第一陣から第二陣への攻めの切り替え方

私は振り飛車を指すことが多いので、「まだ美濃囲いだから安全だろう」と思っていた局面でも、実は危険だったことに気付かされました。

攻める側だけでなく、受ける側の視点でも多くの学びがある一冊です。


この本を読むコツ

一問一問を長時間考え込むよりも、何度も繰り返し解いて手筋を体に染み込ませることをおすすめします。

「この形ならこの攻め」という感覚が身につけば、実戦でも自然に指せるようになります。


結局買うべき?

美濃囲い崩しを学ぶなら、今でも十分おすすめできる一冊です。

内容は決して簡単ではありませんが、その分得られるものも大きく、初級者から有段者まで長く使える棋書だと思います。

特に居飛車対振り飛車の対抗形を指す機会が多い人であれば、一度は読んでおいて損はありません。

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